大会長挨拶

第22回全国遺伝子医療部門連絡会議
大会長 櫻井 晃洋
札幌医科大学医学部遺伝医学 教授


 このたびは、第22回全国遺伝子医療部門連絡会議の大会長を務めさせていただくこととなりました。この全国遺伝子医療部門連絡会議は、わが国における遺伝医療の普及と発展のために、関係者が意見交換や情報交換を行う場として2003年にはじまりました。設立当初の参加施設は50施設で、第一回の会議も70名程度の規模でしたが、20年を経て遺伝医療の実装が進み、現在では約150施設が維持機関会員として参加する重要な会議となりました。

 この間に遺伝学的検査の新規技術導入や適用拡大が進んできたとは言え、保険収載されている検査はまだ十分とは言えず、遺伝医療を担う人材の確保や安定した雇用環境の整備も解決すべき課題として残されています。今回は会員の方々のご意見を踏まえ、現在のわが国の遺伝医療の現状を整理し、今後に向けた課題を共有することを目指し、3名の講師の先生方にご講演をお願いしました。また、ワークショップでは重要度が高い4つのテーマを設定し、参加者の皆様にはいずれかのワークショップで討論に参加していただきます。

 新型コロナウイルス感染症の波の中で、本連絡会議の形態も完全オンライン開催が定着しました。直接face-to-faceの討論で得られるものも多いのは事実ですが、オンラインで開催することにより、居住・勤務地に関わらず同じ条件で会議に参加できるのは大きな利点です。今回も休日のほぼ一日間を要する長丁場の会議となりますが、当日のご講演やワークショップの議論、全体討論がご参加いただく皆様の遺伝医療実践に有益なものとなり、ひいてはわが国の遺伝医療のさらなる発展の推進力となることを期待しています。